我妹子に我が恋ひ死なばそわへかも
神に負ほせむ心知らずて
- 歌の意味
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いとしい人に恋い焦がれて私が死んだならば、あの子はそれを神のたたりのせいにするだろうか。私の心も知らないで。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3566
詞書は前の歌に続き「相聞」
恋人を恋い焦がれて死んでしまったら、恋人は自分の心も知らずに神のたたりのせいにするだろうかとうたう歌である。報われない恋の苦しみと、相手への恨みまじりの思いとが表されている。
相聞の一首で、相聞の部の最後の一首である。次歌から防人歌となる。「そわへ」は難解な語で、解釈が定まらない。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「我妹子に」の「我妹子」は恋人を親しんで呼ぶ語である。
二句「我が恋ひ死なば」は私が恋い死んだならばの意で、「なば」は仮定である。
三句「そわへかも」の「そわへ」は難解な語で、そのようにの意とする説などがある。「かも」は疑問である。
四句「神に負ほせむ」の「負ほせ」は罪や責任を負わせることで、神のたたりのせいにする意である。
結句「心知らずて」の「ずて」は打消の東国方言で、私の心も知らないでと倒置によって結ぶ。
わぎもこ:恋人を親しんで呼ぶ語
おほす:罪や責任を負わせる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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かの子ろと寝ずやなりなむはだすすき 宇良野の山に月片寄るも
- 次の歌
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置きて行かば妹はま愛し持ちて行く 梓の弓の弓束にもがも