美夜自呂のすかへに立てるかほが花
な咲き出でそねこめて偲はむ
- 歌の意味
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美夜自呂の砂丘に生えているかお花よ、目立って咲き出さないでおくれ。心にこめてひそかに思っていよう。
- 鑑賞
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巻第十四 東歌 3575
詞書は前の歌に続き「譬喩歌」
美夜自呂の砂地に生えるかお花に、目立って咲き出さないでほしい、ひそかに心に秘めて思っていようと語りかける歌である。恋を人目にさらさず内に秘めたいという思いが、花への呼びかけに託されている。
譬喩歌の一首である。美夜自呂は所在未詳の地名である。かお花は第三千五百五首にも詠まれた花である。
作者は未詳である。東歌は東国の人々の間でうたわれた歌とされ、方言をまじえた素朴でおおらかな表現が特色である。
初句「美夜自呂の」は所在未詳の地名である。
二句「すかへに立てる」の「すかへ」は砂丘、砂地の意とされる。
三句「かほが花」の「かほが花」はかお花で、第三千五百五首の「かほ花」と同じ花とされる。
四句「な咲き出でそね」の「な…そね」は禁止の願いで、咲き出さないでの意である。字余りの句で、四句切れである。
結句「こめて偲はむ」の「こめて」は心に秘めての意、「む」は意志である。
すかへ:砂丘、砂地の意とされる
こむ:心に秘める
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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小里なる花橘を引き攀ぢて 折らむとすれどうら若みこそ
- 次の歌
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苗代の小水葱が花を衣に摺り なるるまにまにあぜか愛しけ