- 歌の意味
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山あいの川の清らかな瀬で遊んでいるけれども、奈良の都はどうしても忘れられない。
- 鑑賞
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巻第十五 遣新羅使人歌 3618
詞書は前の歌に続き「安芸国の長門の島にして磯辺に船泊まりして作る歌五首」
島の山川の清らかな瀬で遊び楽しんでも、奈良の都は忘れられないと詠んだ望郷の歌である。土地の美しさを味わいながらも心は都に向かうという、旅の歌の典型的な心情が表されている。下の句は、長井の浦で詠まれた本巻の第三千六百十三首の下の句と同じであり、旅の進む先々で同じ嘆きが繰り返されている。宴の席で詠まれたものとも考えられる。
詞書によれば、安芸国の長門の島の磯辺に船を泊めて作った五首の一つである。長門の島は現在の広島県呉市の倉橋島とされる。五首のうち左注に作者が記されるのは最初の一首のみで、本歌の作者の名は記されていない。
初句「山川の」 山の中を流れる川のことで、島の山あいを流れる渓流を指す。
二句「清き川瀬に」 「川瀬」は川の浅い所で、清らかな流れをたたえている。
三句「遊べども」 「遊ぶ」は心を楽しませる意で、逆接の「ども」により、遊んでいるけれどもと下へ転じる。
四句「奈良の都は」 一行が後にしてきた平城京である。
結句「忘れかねつも」 忘れることができないことだの意で、本巻の第三千六百十三首と同じ四句と結句である。
やまがは:山の中を流れる川
かはせ:川の浅瀬
わすれかぬ:忘れることができない
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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石走る滝もとどろに鳴く蝉の 声をし聞けば都し思ほゆ
- 次の歌
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磯の間ゆたぎつ山川絶えずあらば またも相見む秋かたまけて