- 歌の意味
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山の端に月が傾いていくと、漁をする海人のともしびが、沖に漂い揺れている。
- 鑑賞
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巻第十五 遣新羅使人歌 3623
詞書は前の歌に続き「長門の浦より船出する夜に、月の光を仰ぎ観て作る歌三首」
月が山の端に傾いて辺りが暗くなると、沖に漁り火が漂うように見えてくるという夜の海の情景を詠んだ歌である。月の光が薄れるにつれて漁り火が際立ってくる、時の移ろいと光の交代が繊細にとらえられている。前歌の月光に照らされた海から、月の沈んだ後の漁り火の海へと場面が移っている。
詞書によれば、長門の浦から船出した夜に、月の光を仰ぎ見て作った三首の一つである。長門の浦は倉橋島の港とされる。作者の名は記されていない。
初句「山の端に」 「山の端」は山の稜線、空と接するあたりのことである。
二句「月傾けば」 「傾けば」は已然形に「ば」がついた確定条件で、月が西に傾くとの意。夜が更けたことを示す。
三句「漁りする」 夜に漁をすることで、漁り火を焚いて魚を集める。
四句「海人の燈火」 海人が漁のために焚く火で、暗くなった海に浮かび上がる。
結句「沖になづさふ」 「なづさふ」は水に浮かび漂う意で、沖に揺れ漂って見えるさまを表す。
やまのは:山の稜線、空と接するあたり
ともしび:灯火、ここでは漁り火
なづさふ:水に浮かび漂う
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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月読みの光りを清み夕なぎに 水手の声呼び浦廻漕ぐかも
- 次の歌
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我れのみや夜船は漕ぐと思へれば 沖辺の方に楫の音すなり