- 歌の意味
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草を枕に旅を行く人々を、この伊波比島は、どれほどの年月にわたって守り祈り続けてきたのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十五 遣新羅使人歌 3637
詞書は前の歌に続き「周防国玖河郡の麻里布の浦を行く時に作る歌八首」
伊波比島が、旅を行く人々をどれほど長い年月にわたって守り祈ってきたのだろうかと、島の名にちなんでその霊威をたたえた歌である。前歌では家人の斎ひを詠んだが、本歌では島そのものが旅人を斎ってきたととらえ、航海の守り神としての島の姿を描いている。麻里布の浦を行く時の八首は、この土地ぼめの歌で結ばれる。
詞書によれば、周防国玖河郡の麻里布の浦を行く時に作った八首の一つである。麻里布の浦は現在の山口県岩国市の海岸とされる。作者の名は記されていない。
初句「草枕」 草を結んで枕とする旅寝の意から、「旅」にかかる枕詞である。
二句「旅行く人を」 旅をしていく人々をの意で、自分たちを含め、古来この海を行き来した旅人を指す。
三句「伊波比島」 前歌第三千六百三十六首と同じ島で、その名が結句の「斎ひ」を導いている。
四句「幾代経るまで」 どれほどの年月を経るまでの意で、島の歴史の長さを思いやっている。
結句「斎ひ来にけむ」 「けむ」は過去の推量で、守り祈り続けてきたのだろうかの意。島の名と「斎ひ」を重ねる趣向は前歌と同じである。
くさまくら:「旅」にかかる枕詞
いはふ:身を清め慎んで神を祭り、無事を祈る
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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家人は帰り早来と伊波比島 斎ひ待つらむ旅行く我れを
- 次の歌
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これやこの名に負ふ鳴門のうづ潮に 玉藻刈るとふ海人娘子ども