年にありて一夜妹に逢ふ彦星も
我れにまさりて思ふらめやも
- 歌の意味
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一年のうちに一夜だけ妻に逢う彦星でさえも、私以上に恋しく思っているだろうか、いやそんなことはない。
- 鑑賞
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巻第十五 遣新羅使人歌 3657
詞書は前の歌に続き「七夕に天漢を仰ぎ観て、おのもおのも思ふところを陳べて作る歌三首」
一年に一夜だけ織女に逢う彦星でさえ、自分ほど恋しく思ってはいないだろうと詠んだ歌である。七夕の夜、天上の恋人たちの年に一度の逢瀬を思いながら、自分はその一夜の逢瀬すらかなわないという嘆きを、彦星と比べることで強く表している。左注がなく、作者の名は記されていない。
詞書によれば、七夕の夜に天の川を仰ぎ見て、それぞれが思いを述べて作った三首の一つである。一行は筑紫の館で七月七日を迎えており、秋の帰国という出発時の約束がすでに果たせないことが明らかになりつつあった。
初句「年にありて」 一年のうちにあっての意で、年に一度という七夕の逢瀬の稀さを示す。
二句「一夜妹に逢ふ」 一夜だけ妻に逢うの意で、八音の字余りである。
三句「彦星も」 牽牛星のことで、「も」はでさえもの意を表す。
四句「我れにまさりて」 私以上にの意で、自分と彦星を比べている。
結句「思ふらめやも」 「らめ」は現在推量の「らむ」の已然形、「やも」は反語で、思っているだろうか、いやそんなことはないと強く打ち消して結ぶ。
ひこほし:牽牛星
- 出典
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万葉集
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秋萩ににほへる我が裳濡れぬとも 君が御船の綱し取りてば
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夕月夜影立ち寄り合ひ天の川 漕ぐ船人を見るが羨しさ