我が旅は久しくあらしこの我が着る
妹が衣の垢つく見れば
- 歌の意味
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私の旅は長くなったらしい。私の着ている、妻が支度してくれた衣に垢がついているのを見ると。
- 鑑賞
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巻第十五 遣新羅使人歌 3667
詞書は前の歌に続き「海辺にして月を望みて作る九首」
妻が支度してくれた衣に垢がついているのを見て、旅が長くなったことに気づいたと詠んだ歌である。日々の時の経過を、衣の汚れという身近なものによって実感している。前歌で恋しく思った妻の手による衣と対比され、長い旅の間に着続けてきた衣が、妻と離れた時間の長さを物語っている。
詞書によれば、海辺で月を望み見て作った九首の一つである。筑紫の館に滞在していた折の作と考えられる。本歌の作者の名は記されていない。
初句「我が旅は」 私の旅はの意である。
二句「久しくあらし」 「らし」は根拠のある推定の助動詞で、長くなったらしいの意。ここで切れる二句切れである。
三句「この我が着る」 「着る」は「ける」と読み、着る意の動詞に存続の助動詞「り」がついた形とされ、今私が着ているの意である。六音の字余りである。
四句「妹が衣の」 妻が支度して持たせてくれた衣のことである。
結句「垢つく見れば」 衣に垢がついているのを見るとの意で、二句の推定の根拠を倒置によって最後に示している。
あかつく:垢がつく、着古して汚れる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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夕されば秋風寒し我妹子が 解き洗ひ衣行きて早着む
- 次の歌
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大君の遠の朝廷と思へれど 日長くしあれば恋ひにけるかも