君を思ひ我が恋ひまくはあらたまの
立つ月ごとに避くる日もあらじ
- 歌の意味
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あなたを思って私が恋い慕うことは、新しい月が来るたびに、一日として欠ける日はないでしょう。
- 鑑賞
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巻第十五 遣新羅使人歌 3683
詞書は前の歌に続き「肥前国松浦郡の狛島の亭に船泊まりする夜に、遥かに海浪を望みて、おのもおのも旅の心を慟みて作る歌七首」
あなたを思って恋い慕う思いは、月が改まるたびに一日として欠ける日はないだろうと詠んだ、女性の立場の歌である。旅立つ人を見送り、これから先の長い月日を恋い続けると誓っている。前歌の娘子の歌に続いて置かれており、同じく旅人を送る女の心を歌ったものと考えられる。
詞書によれば、肥前国松浦郡の狛島の亭に船を泊めた夜に、遥かに海の波を望み、それぞれが旅の悲しみを述べて作った七首の一つである。狛島は現在の佐賀県唐津市の神集島とされ、壱岐へ渡る前の港であった。本歌には左注がなく、作者の名は記されていない。
初句「君を思ひ」 あなたを思っての意で、六音の字余りである。
二句「我が恋ひまくは」 「まく」は推量の「む」のク語法で、私が恋い慕うだろうことはの意である。
三句「あらたまの」 「年」「月」などにかかる枕詞である。
四句「立つ月ごとに」 「立つ」は月が改まる意で、新しい月が来るたびにの意である。
結句「避くる日もあらじ」 「避く」は避ける、免れる意、「じ」は打消の推量で、恋しさから逃れる日は一日もないだろうと結ぶ。八音の字余りである。
あらたまの:「年」「月」などにかかる枕詞
よく:避ける、免れる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天地の神を祈ひつつ我れ待たむ 早来ませ君待たば苦しも
- 次の歌
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秋の夜を長みにかあらむなぞここば 寐の寝らえぬもひとり寝ればか