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死にも生きも同じ心と結びてし
友や違はむ我れも寄りなむ

歌の意味
死ぬも生きるも同じ心でいようと誓い合った友に、背くことなどあろうか。私も身を寄せよう。
鑑賞
巻第十六 有由縁并雑歌 3797

詞書は前の歌に続き「娘子らが和ふる歌九首」
 生死を共にしようと誓い合った仲間に背くことはできないとして、自分も翁に身を寄せようと詠む歌である。仲間との固い結びつきを理由に、一連の流れに加わっている。
 竹取翁の長歌と反歌に、からかっていた九人の娘子が次々に和えた一連である。二首目以降は結句がほぼ「我れも寄りなむ」で統一され、一人また一人と翁に心を寄せていく趣向となっている。
 作者は竹取翁に出会った九人の娘子の一人で、名は伝わらない。翁から神仙と呼ばれた、物語上の人物である。

 初句「死にも生きも」は、死ぬも生きるも、の意である。六音の字余りで、竹取翁の反歌の第三千七百九十二首が「死なば」「生きてあらば」と生死を対にしたことに、娘子の側から応じている。
 二句「同じ心と」は、同じ心でいようと、の意で、仲間同士の一致をいう。
 三句「結びてし」は、誓い合った、の意である。完了の「つ」と過去の「き」が重なり、かつて固く結んだ約束を示している。
 四句「友や違はむ」は、友に背くことがあろうか、の意である。係助詞「や」と「む」の連体形の係り結びが反語を表し、ここで句切れとなる。
 結句「我れも寄りなむ」は、私も身を寄せよう、の意で、前歌の第三千七百九十六首と同じ結句を受け継いでいる。

たがふ:食い違う、背く
出典
万葉集
前の歌
否も諾も欲しきまにまに許すべき 顔見ゆるかも我れも寄りなむ
次の歌
何すと違ひは居らむ否も諾も 友のなみなみ我れも寄りなむ