何すと違ひは居らむ否も諾も
友のなみなみ我れも寄りなむ
- 歌の意味
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どうして私だけ違っていられようか。いやでもよいでも、友と同じように、私も身を寄せよう。
- 鑑賞
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巻第十六 有由縁并雑歌 3798
詞書は前の歌に続き「娘子らが和ふる歌九首」
どうして自分だけが違う態度を取っていられようか、仲間と同じように自分も翁に身を寄せようと詠む歌である。周りに合わせて従う気持ちを、軽やかに言い表している。
竹取翁の長歌と反歌に、からかっていた九人の娘子が次々に和えた一連である。二首目以降は結句がほぼ「我れも寄りなむ」で統一され、一人また一人と翁に心を寄せていく趣向となっている。
作者は竹取翁に出会った九人の娘子の一人で、名は伝わらない。翁から神仙と呼ばれた、物語上の人物である。
初句「何すと」は、何のために、どうして、の意である。四音の字足らずで、問いかけの勢いが感じられる。
二句「違ひは居らむ」は、違っていられようか、の意である。前歌の第三千七百九十七首の「違はむ」を受け、同じ動詞で仲間と違うことを打ち消している。
三句「否も諾も」は、いやでもよいでも、の意である。第三千七百九十六首の初句と同じ語句で、一連の中で言葉が響き合っている。
四句「友のなみなみ」は、友と同じように、の意である。「なみなみ」は同じ並み、同様であることをいう。
結句「我れも寄りなむ」は、私も身を寄せよう、の意で、一連に共通する結句である。
なみなみ:同じ並み、同様であること
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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死にも生きも同じ心と結びてし 友や違はむ我れも寄りなむ
- 次の歌
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あにもあらじおのが身のから人の子の 言も尽さじ我れも寄りなむ