はだすすき穂にはな出でそ思ひたる
心は知らゆ我れも寄りなむ
- 歌の意味
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穂が出るように心の内を表に出さないでいてください。思っているお心はよくわかります。私も身を寄せよう。
- 鑑賞
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巻第十六 有由縁并雑歌 3800
詞書は前の歌に続き「娘子らが和ふる歌九首」
思いを表に出さなくても、翁の心はよくわかると言って、自分も身を寄せようと詠む歌である。翁の秘めた思いを察して受け入れる、穏やかな情が込められている。
竹取翁の長歌と反歌に、からかっていた九人の娘子が次々に和えた一連である。二首目以降は結句がほぼ「我れも寄りなむ」で統一され、一人また一人と翁に心を寄せていく趣向となっている。
作者は竹取翁に出会った九人の娘子の一人で、名は伝わらない。翁から神仙と呼ばれた、物語上の人物である。
初句「はだすすき」は、「穂」にかかる枕詞である。穂の出たすすきの姿から、心が表に現れることを導いている。
二句「穂にはな出でそ」は、表に出さないでください、の意である。「な~そ」で禁止を表し、ここで句切れとなる二句切れの歌である。
三句「思ひたる」は、思っている、の意で、四句の「心」に係る。
四句「心は知らゆ」は、お心は自然とわかります、の意である。「知らゆ」は「知る」に自発の「ゆ」が付いた形で、言われずとも伝わることをいう。
結句「我れも寄りなむ」は、私も身を寄せよう、の意で、一連に共通する結句である。
はだすすき:穂の出たすすき。「穂」にかかる枕詞
しらゆ:自然と知られる、おのずとわかる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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あにもあらじおのが身のから人の子の 言も尽さじ我れも寄りなむ
- 次の歌
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住吉の岸野の榛ににほふれど にほはぬ我れやにほひて居らむ