白玉の緒絶えはまことしかれども
その緒また貫き人持ち去にけり
- 歌の意味
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白玉の緒が切れたのは本当だ。けれども、その緒をまた通して、ほかの人が持って行ってしまった。
- 鑑賞
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巻第十六 有由縁并雑歌 3815
詞書「答ふる歌一首」
白玉の緒が切れたのは事実だが、その緒はすでに別の人が通して持ち去ったと答える歌である。前歌の譬喩をそのまま用いて、娘子がすでに再婚したことを婉曲に伝えている。
左注によれば、夫に捨てられて他の家に嫁ぎ直した娘子があった。それを知らない男が、この歌を贈って娘子の父母に求婚した。父母は、男が事情を詳しく聞いていないのだと考え、答えの歌を作って、娘子が改めて嫁いだいきさつを知らせたという。
作者は娘子の父母で、名は伝わらない。
初句「白玉の」は、前歌の第三千八百十四首の初句「白玉は」を受けている。
二句「緒絶えはまこと」は、緒が切れたのは本当だ、の意で、ここで句切れとなる二句切れの歌である。前歌の「緒絶えしにきと聞きし」といううわさを、まず事実として認めている。
三句「しかれども」は、けれども、の意である。前半で認めたことを逆接で転じ、後半の事実へと導く。
四句「その緒また貫き」は、その緒を再び通して、の意で、前歌の四句をそのまま繰り返している。同じ句が、贈歌では自分の行為として、答歌では他人の行為として用いられる反転の構図である。
結句「人持ち去にけり」は、ほかの人が持って行ってしまった、の意である。前歌の結句「我が玉にせむ」と対をなし、「我」と「人」の対比で求婚を退けている。
いぬ:去って行く、行ってしまう
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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白玉は緒絶えしにきと聞きしゆゑに その緒また貫き我が玉にせむ
- 次の歌
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家にありし櫃にかぎさし蔵めてし 恋の奴のつかみかかりて