食薦敷き青菜煮て来む梁に
むかばき懸けて休むこの君
- 歌の意味
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食事用のこもを敷き、青菜を煮て持って来よう。梁にむかばきを掛けて休んでいるこのお方のために。
- 鑑賞
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巻第十六 有由縁并雑歌 3825
詞書「行縢、蔓菁、食薦、屋梁を詠む歌」
食薦を敷き、青菜を煮て持って来ようと、梁にむかばきを掛けて休む客人をもてなす様子を詠む歌である。旅から着いた客人をくつろがせる家の様子が、四つの物の名を詠み込みながら自然に描かれている。
長意吉麻呂の歌八首の一首で、宴席で即興に物の名を詠み込んだ戯れの歌である。題に示されたいくつもの物を一首の中に巧みに詠み込む機知が見どころである。
作者の長意吉麻呂は持統天皇、文武天皇の時代の宮廷歌人で、長忌寸の姓を持つ。行幸に従った歌や、物名を詠み込んだ即興の歌を多く残している。
初句「食薦敷き」は、食事のときに器の下に敷くこもを敷いて、の意で、題の食薦を詠み込んでいる。
二句「青菜煮て来む」は、青菜を煮て持って来よう、の意で、題の蔓菁を詠み込み、ここで句切れとなる。
三句「梁に」は、屋根を支える横木に、の意で、題の屋梁を詠み込んでいる。
四句「むかばき懸けて」は、むかばきを掛けて、の意で、題の行縢を詠み込んでいる。
結句「休むこの君」は、休んでいるこのお方、の意である。体言止めで客人の姿を示して結び、二句と倒置の関係にある。
すごも:食事の際に食器の下に敷くこも
うつはり:屋根を支える横木、梁
むかばき:乗馬の際に腰から脚を覆う毛皮の覆い
- 作者
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長意吉麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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さし鍋に湯沸かせ子ども櫟津の 桧橋より来む狐に浴むさむ
- 次の歌
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蓮葉はかくこそあるもの意吉麻呂が 家なるものは芋の葉にあらし