童ども草はな刈りそ八穂蓼を
穂積の朝臣が腋草を刈れ
- 歌の意味
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子どもたちよ、草など刈るな。たくさんの穂の出た蓼のような、穂積の朝臣の腋毛を刈れ。
- 鑑賞
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巻第十六 有由縁并雑歌 3842
詞書「或いは云はく、平群朝臣の嗤ふ歌一首」
子どもたちに草刈りなどやめて、穂積の朝臣の腋毛を刈れと命じ、相手の毛深さをからかう歌である。草刈りの場面を借りて、蓼の穂のように茂る腋毛を笑っている。
次歌の第三千八百四十三首は、からかわれた穂積朝臣が平群朝臣の赤い鼻を詠んでやり返した歌で、二首が嘲笑の贈答となっている。前の池田朝臣と大神奥守の贈答と同じ形の一組である。
作者の平群朝臣は、誰を指すかについては平群広成とする説もあるが定まらない。平群朝臣は朝臣の姓を持つ平群氏の人物をいう。
初句「童ども」は、子どもたちよ、の意で、草刈りをする子どもへの呼びかけである。
二句「草はな刈りそ」は、草など刈るな、の意で、ここで句切れとなる。「な~そ」で禁止を表す。
三句「八穂蓼を」は、たくさんの穂の出た蓼のような、の意である。「穂」の縁で「穂積」を導く枕詞的な働きをしている。
四句「穂積の朝臣が」は、穂積の朝臣の、の意である。
結句「腋草を刈れ」は、腋毛を刈れ、の意である。腋毛を「腋草」と呼んで二句の「草」と響かせ、命令形で笑いを誘っている。
やほたで:穂のたくさん出た蓼。「穂積」にかかる
わきくさ:腋の下の毛
- 作者
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平群朝臣
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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仏造るま朱足らずは水溜まる 池田の朝臣が鼻の上を掘れ
- 次の歌
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いづくにぞま朱掘る岡薦畳 平群の朝臣が鼻の上を掘れ