さう莢に延ひおほとれる屎葛
絶ゆることなく宮仕へせむ
- 歌の意味
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さいかちの木に這いまつわって乱れ広がっている屎葛のように、絶えることなく宮仕えをしよう。
- 鑑賞
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巻第十六 有由縁并雑歌 3855
詞書「高宮王の数首の物を詠む歌二首」
さいかちの木にからみついて絶えることのない屎葛のように、いつまでも宮仕えを続けようと詠む歌である。さいかち、屎葛という卑俗な植物の名を詠み込みながら、宮仕えの決意という改まった内容に結びつけた落差が笑いを誘う。
宴席で物の名を詠み込む遊びの歌と考えられ、本巻の長意吉麻呂の物名歌と同じ趣向である。
作者の高宮王は伝未詳の王族である。
初句「さう莢に」は、さいかちの木に、の意である。さいかちはとげのある落葉高木で、その実を薬用などに用いた。
二句「延ひおほとれる」は、這いまつわって乱れ広がっている、の意である。
三句「屎葛」は、ヘクソカズラの古名で、悪臭を放つつる草である。初句から三句までが、四句の「絶ゆることなく」を導く序詞となっている。
四句「絶ゆることなく」は、絶えることなく、の意である。つるの長く延びる屎葛の性質を受けている。
結句「宮仕へせむ」は、宮仕えをしよう、の意である。卑俗な屎葛の序から、改まった宮仕えの決意へと転じる落差に、戯れ歌のおかしみがある。
さうけふ:サイカチ。マメ科の落葉高木
くそかづら:ヘクソカズラの古名。悪臭のあるつる草
おほとる:乱れ広がる
- 作者
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高宮王
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた 鰻を捕ると川に流るな
- 次の歌
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波羅門の作れる小田を食む烏 瞼腫れて幡桙に居り