角島の瀬戸のわかめは人の共
荒かりしかど我れとは和海藻
- 歌の意味
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角島の瀬戸のわかめは、ほかの人に対しては荒々しかったけれど、私とは柔らかなにきめだ。
- 鑑賞
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巻第十六 有由縁并雑歌 3871
詞書はなく、左注に「右の歌一首」とある
角島の瀬戸のわかめは、ほかの人には荒々しかったが、自分にはやわらかな和海藻だと詠む歌である。わかめに女性をたとえ、他の男には冷たかった娘が自分にだけは打ち解けたことを、得意げに歌っている。
左注には「右の歌一首」とあるのみで、作者や由来は伝わらない。角島は長門国、現在の山口県下関市の北西沖にある島である。
作者は伝わらない。
初句「角島の」は、長門国の角島をいう。
二句「瀬戸のわかめは」は、海峡のわかめは、の意である。わかめに「若女」すなわち若い女性を重ねる読みもある。
三句「人の共」は、ほかの人と一緒のときは、の意である。「むた」は共に、の意を表す。
四句「荒かりしかど」は、荒々しかったけれど、の意である。荒海に育つわかめの性質を、娘のつれない態度に重ねている。
結句「我れとは和海藻」は、私とは柔らかなにきめだ、の意である。「荒」と「和」を対比させ、他人と自分とで態度を変える娘のさまを、海藻の名で表している。
むた:~と共に、~と一緒に
にきめ:柔らかな海藻。打ち解けた女性をたとえる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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紫の粉潟の海に潜く鳥 玉潜き出ば我が玉にせむ
- 次の歌
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我が門の榎の実もり食む百千鳥 千鳥は来れど君ぞ来まさぬ