天にあるやささらの小野に茅草刈り
草刈りばかに鶉を立つも
- 歌の意味
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天上にあるささらの小野で茅を刈っていると、その草刈りの持ち場から、鶉を飛び立たせることだ。
- 鑑賞
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巻第十六 有由縁并雑歌 3887
詞書「怕ろしき物の歌三首」
天上にあるというささらの小野で茅を刈っていると、刈り場から鶉が飛び立つと詠む歌である。天上の野という異界の情景に、突然鶉が飛び立つ驚きを描き、不気味さを感じさせている。
「怕ろしき物の歌」三首は、天上の野、沖の彼方の国、人魂と、この世ならぬ世界の恐ろしさを詠んだ一連で、巻第十六の巻末に置かれている。宴席で座の者を怖がらせるために誦された歌とも考えられる。
作者は伝わらない。
初句「天にあるや」は、天上にある、の意である。「や」は語調を整える間投助詞である。
二句「ささらの小野に」は、天上にあるとされた野に、の意である。
三句「茅草刈り」は、茅を刈って、の意である。
四句「草刈りばかに」は、草刈りの持ち場から、の意である。三句の「刈り」と重ねて、作業の情景を印象づけている。
結句「鶉を立つも」は、鶉を飛び立たせることだ、の意である。「も」は詠嘆で、静かな野に突然羽音が響く驚きと不気味さで結んでいる。
ささらのをの:天上にあるとされた野
かりばか:草などの刈り取りの受け持ち区域
ちがや:イネ科の草で、屋根を葺くのに用いた
- 出典
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万葉集
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弥彦おのれ神さび青雲の たなびく日すら小雨そほ降る
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沖つ国うしはく君の塗り屋形 丹塗りの屋形神の門渡る