たたなめて泉の川の水脈絶えず
仕へまつらむ大宮ところ
- 歌の意味
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泉川の流れが絶えないように、絶えることなくお仕え申し上げよう、この大宮所に。
- 鑑賞
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巻第十七 3908
詞書「三香原の新都を讃むる歌一首并せて短歌」の反歌
泉川の流れが絶えることのないように、この新しい都の宮に永くお仕えしよう、と恭仁京を讃えた歌である。天平十二年(740)末、聖武天皇は山背国相楽郡の三香原に新都恭仁京を営んだ。本歌はその都を讃える長歌に添えられた反歌で、都の傍らを流れる泉川の絶えない流れに、宮仕えの永続を誓う心を託している。
作者の境部老麻呂は右馬頭を務めた官人で、伝は詳らかでない。
左注に「右、天平十三年二月に右馬頭境部宿祢老麻呂作る」とある。
初句「たたなめて」は、楯を並べて射る意から「い」の音を持つ「泉」にかかる枕詞である。
二句「泉の川の」の泉川は現在の木津川で、恭仁京の傍らを流れていた。長歌でも都が帯のように巡らせる川として詠まれている。
三句「水脈絶えず」の「水脈」は水の流れる筋のことで、川の流れが絶えないように、という比喩となり、上三句が「絶えず」を導いて宮仕えの永続へとつなげている。
四句「仕へまつらむ」は、お仕え申し上げよう、の意で、「む」は意志を表す。長歌の結びの「仕へまつらむ万代までに」と同じ句を重ね、讃歌の心を反復している。
結句「大宮ところ」は宮殿のある所、すなわち恭仁京の宮を指す。体言止めで讃美の対象を示して結んでいる。
みを:水の流れる筋。水脈
おほみやところ:宮殿のある所。皇居の地
たたなめて:泉にかかる枕詞
- 作者
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境部老麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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御園生の百木の梅の散る花し 天に飛び上がり雪と降りけむ
- 次の歌
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橘は常花にもが霍公鳥 住むと来鳴かば聞かぬ日なけむ