垂姫の浦を漕ぎつつ今日の日は
楽しく遊べ言ひ継ぎにせむ
- 歌の意味
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垂姫の浦を漕ぎながら、今日という日は楽しく遊べ。後々までの語り草にしよう。
- 鑑賞
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巻第十八 4047
詞書は前の歌に続き「水海に至りて遊覧する時に、各懐を述べて作る歌」
垂姫の浦を漕ぎながら、今日の日は楽しく遊んでほしい、後の世まで語り伝えようと詠む。宴席に侍る女性として一座に楽しむことを勧め、遊覧の興を盛り上げる役目を果たしている。
作者の土師は越中の遊行女婦で、宴席に侍って歌を詠んだ女性である。土師は氏の名とみられ、本名は伝わらない。
初句「垂姫の」前歌の「垂姫の崎」を受け、同じ地名で歌い起こす。続く本巻の第四千四十八首も同じ初句で始まり、三首が垂姫の地名で連なっている。
二句「浦を漕ぎつつ」「つつ」は継続を表し、舟を漕ぎ続ける遊覧のさなかであることを示す。
三句「今日の日は」今日という日をことさらに取り立てて、この日の特別さを強調する。
四句「楽しく遊べ」命令形で一座に呼びかける。ここで四句切れとなる。
結句「言ひ継ぎにせむ」「む」は意志の助動詞で、今日のことを語り草にしようという意。福麻呂が詠んだ本巻の第四千四十首の「語り継ぎてむ」と同じく、遊覧を後に伝えようとする気持ちが共通している。
いひつぎ:言い伝えること。語り草
- 作者
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遊行女婦土師
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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神さぶる垂姫の崎漕ぎ廻り 見れども飽かずいかに我れせむ
- 次の歌
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垂姫の浦を漕ぐ舟梶間にも 奈良の我家を忘れて思へや