めづらしき君が来まさば鳴けと言ひし
山霍公鳥何か来鳴かぬ
- 歌の意味
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珍しいお客であるあなたがおいでになったら鳴けと言っておいた山のほととぎすは、どうして来て鳴かないのか。
- 鑑賞
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巻第十八 4050
詞書は前の歌に続き「水海に至りて遊覧する時に、各懐を述べて作る歌」
都からの珍しい客がいらしたら鳴けと言い聞かせておいた山のほととぎすが、なぜ来て鳴かないのかと嘆く歌である。客をもてなす側の立場から、ほととぎすの声を聞かせられないもどかしさを詠み、客への心遣いを表している。
作者の久米広縄は越中国の掾で、家持の部下として越中の宴や遊覧にしばしば加わった。家持と親しく歌を交わしている。
前日に家持が本巻の第四千四十三首で、ほととぎすが鳴かずに藤を散らすのではと案じたことが現実となった形で、その心配を受けた一首となっている。
初句「めづらしき」めったにない、すばらしいの意で、都から訪れた客の福麻呂をたたえる。
二句「君が来まさば」「来ます」は「来」の尊敬語で、未然形+ばの仮定条件である。客への敬意を示している。
三句「鳴けと言ひし」ほととぎすに鳴くよう言い含めておいたという、もてなしの準備を表すユーモラスな言い方である。
四句「山霍公鳥」山にいるほととぎす。本巻の第四千四十三首の「けだし来鳴かず」の心配を受けている。
結句「何か来鳴かぬ」「何か」は疑問で、「ぬ」は打消しの助動詞「ず」の連体形で結ぶ。後の第四千五十三首で広縄は再び「何か来鳴かぬ」と詠んでおり、同じ結句で嘆きを繰り返している。
きます:「来」の尊敬語。おいでになる
- 作者
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久米広縄
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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おろかにぞ我れは思ひし乎布の浦の 荒礒の廻り見れど飽かずけり
- 次の歌
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多古の崎木の暗茂に霍公鳥 来鳴き響めばはだ恋ひめやも