木の暗になりぬるものを霍公鳥
何か来鳴かぬ君に逢へる時
- 歌の意味
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木々が茂って暗くなる季節になったというのに、ほととぎすはどうして来て鳴かないのか、あなたにお会いしているこの時に。
- 鑑賞
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巻第十八 4053
詞書は前の歌に続き「掾久米朝臣広縄の館にて、田辺史福麻呂を饗する宴の歌四首」
木々が茂って暗くなる季節になったのに、あなたに会っているこの時にほととぎすはなぜ来て鳴かないのかと嘆く。宴の主人である広縄が、前歌の福麻呂の嘆きに同じ思いで応え、客を迎えた今こそ鳴いてほしいと願っている。
作者の久米広縄は越中国の掾で、家持の部下として越中の宴や遊覧にしばしば加わった。家持と親しく歌を交わしている。
初句「木の暗に」木々が茂って暗くなるころ、すなわち初夏の季節をいう。家持の第四千五十一首の「木の暗茂に」を受けている。
二句「なりぬるものを」「ものを」は逆接で、そうなったのにの意。ほととぎすが鳴くべき季節になったことを示す。
三句「霍公鳥」前歌と同じく、ほととぎすに呼びかける。
四句「何か来鳴かぬ」本巻の第四千五十首で広縄自身が詠んだ結句をここで再び用いている。同じ句を重ねることで、待っても鳴かないもどかしさが一層強まる。ここで四句切れとなる。
結句「君に逢へる時」倒置の形で、まさに客と会っているこの時にと、鳴いてほしい時を示して結ぶ。
このくれ:木の暗。木が茂って暗くなったところ。またその季節
- 作者
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久米広縄
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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霍公鳥今鳴かずして明日越えむ 山に鳴くとも験あらめやも
- 次の歌
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霍公鳥こよ鳴き渡れ燈火を 月夜になそへその影も見む