橘の下照る庭に殿建てて
酒みづきいます我が大君かも
- 歌の意味
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橘の実で木の下まで照り輝く庭に御殿を建てて、酒宴を楽しんでいらっしゃる我が大君であることよ。
- 鑑賞
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巻第十八 4059
詞書は前の歌に続き「太上皇の難波宮に御在しし時の歌七首[清足姫天皇なり]」「河内女王の歌一首」
橘の実が木の下まで照り映える庭に御殿を建てて、酒宴を楽しんでおられる大君よと、太上天皇の姿をたたえる歌である。前歌の御製が橘をたたえたのを受けて、橘の輝く庭で宴を楽しむ大君を描き、宴の主人である諸兄の邸をも讃美している。
作者の河内女王は高市皇子の娘とされる女性で、宮廷に仕えた。
初句「橘の」前歌の御製と同じ初句で始め、橘の讃美を受け継いでいる。次歌の第四千六十首も橘を詠み、橘が三首を貫いている。
二句「下照る庭に」「下照る」は木の下まで照り輝くこと。橘の黄金色の実が庭を照らすさまを描く。
三句「殿建てて」御殿を建てての意で、宴のために設けた建物を指す。
四句「酒みづきいます」「酒みづく」は酒宴にひたる意、「います」は「あり」の尊敬語で、宴を楽しんでいらっしゃるの意となる。
結句「我が大君かも」「かも」は詠嘆の終助詞で、太上天皇をたたえて結ぶ。
さかみづく:酒に浸る。酒宴を楽しむ
います:「あり」「をり」の尊敬語。いらっしゃる
- 作者
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河内女王
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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橘のとをの橘八つ代にも 我れは忘れじこの橘を
- 次の歌
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月待ちて家には行かむ我が插せる 赤ら橘影に見えつつ