卯の花の咲く月立ちぬ霍公鳥
来鳴き響めよ含みたりとも
- 歌の意味
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卯の花の咲く月がやって来た。ほととぎすよ、来て鳴き響かせよ。卯の花はまだつぼみであっても。
- 鑑賞
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巻第十八 4066
詞書「四月一日、掾久米朝臣広縄の館にて宴する歌四首」
卯の花の咲く四月になった、ほととぎすよ、花はまだつぼみでも来て鳴き響かせよと詠む。四月一日の宴の初めに、夏の訪れを告げてほととぎすを待つ心を詠み、一座の興を誘っている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされ、本巻は家持の越中時代の歌日誌の性格をもつ。
天平二十年(748)四月一日、掾の久米広縄の館で開かれた宴の歌である。左注に「右の一首は守大伴宿禰家持作る」とある。
初句「卯の花の」卯の花はウツギの花で、陰暦四月を代表する花である。ほととぎすとよく取り合わせて詠まれる。
二句「咲く月立ちぬ」「月立つ」は新しい月が始まること。卯の花の咲く四月になったことを告げ、ここで二句切れとなる。
三句「霍公鳥」三月の福麻呂を迎えた宴では鳴かなかったほととぎすに、夏を迎えて改めて呼びかけている。
四句「来鳴き響めよ」命令形でほととぎすに呼びかける。本巻の第四千五十一首の「来鳴き響めば」が仮定であったのに対し、ここでは命令となっている。
結句「含みたりとも」「含む」は花がつぼみの状態であること。「とも」は逆接仮定で、たとえ卯の花がまだつぼみであってもの意となる。
うのはな:ウツギの花。陰暦四月に白い花を咲かせる
ふふむ:花がつぼみのままである
とよむ:声を響かせる。鳴り響く
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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朝開き入江漕ぐなる楫の音の つばらつばらに我家し思ほゆ
- 次の歌
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二上の山に隠れる霍公鳥 今も鳴かぬか君に聞かせむ