- 歌の意味
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二上山にこもっているほととぎすよ、今すぐにでも鳴いてくれないか。あの方にお聞かせしよう。
- 鑑賞
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巻第十八 4067
詞書は前の歌に続き「四月一日、掾久米朝臣広縄の館にて宴する歌四首」
二上山にこもっているほととぎすに、今すぐにでも鳴いてくれないか、あの方に聞かせたいと呼びかける歌である。前歌で家持がほととぎすを待ち望んだのを受け、宴に侍る女性として、主賓である家持の願いをかなえたいという心遣いを示している。
作者の土師は越中の遊行女婦で、宴席に侍って歌を詠んだ女性である。土師は氏の名とみられ、本名は伝わらない。
初句「二上の」二上山は越中国府の北にある山で、現在の富山県高岡市にある。家持が長歌に詠んだ越中の代表的な山である。
二句「山に隠れる」ほととぎすがまだ山にこもっていて、里に出て来ないさまをいう。
三句「霍公鳥」前歌の三句と同じく、ほととぎすに呼びかける。
四句「今も鳴かぬか」「ぬか」は打消しの疑問で、鳴いてくれないものかという願望を表す。ここで四句切れとなる。
結句「君に聞かせむ」「君」は家持を指すとみられる。「む」は意志の助動詞で、聞かせてさしあげようの意。本巻の第四千五十首の広縄の歌が客に聞かせられない嘆きであったのに対し、ここでは聞かせたいという願いを詠んでいる。
ふたがみやま:越中国射水郡の山。現在の富山県高岡市にある
こもる:隠れる。中にとどまって外に出ない
- 作者
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遊行女婦土師
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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卯の花の咲く月立ちぬ霍公鳥 来鳴き響めよ含みたりとも
- 次の歌
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居り明かしも今夜は飲まむ霍公鳥 明けむ朝は鳴き渡らむぞ