居り明かしも今夜は飲まむ霍公鳥
明けむ朝は鳴き渡らむぞ
- 歌の意味
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夜通し起きていても今夜は飲もう。ほととぎすは、夜が明けた朝にはきっと鳴き渡るだろうから。
- 鑑賞
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巻第十八 4068
詞書は前の歌に続き「四月一日、掾久米朝臣広縄の館にて宴する歌四首」
今夜は夜を明かしてでも飲もう、夜が明けた朝にはほととぎすが鳴き渡るだろうからと詠む。明日は立夏にあたるので、夜通し宴を続けてほととぎすの初音を待とうと一座に呼びかけている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされ、本巻は家持の越中時代の歌日誌の性格をもつ。
原文の歌の末尾には「二日は立夏の節に応る。故に明旦喧かむと謂ふ」という注記が添えられている。これは歌の本文ではないため除いた。翌二日が立夏にあたるので、明朝には鳴くだろうと言ったという意味である。
初句「居り明かしも」起きたまま夜を明かしてもの意。「も」は強意である。
二句「今夜は飲まむ」「む」は意志の助動詞で、今夜は飲もうと一座に呼びかける。ここで二句切れとなる。
三句「霍公鳥」前二首と同じくほととぎすを詠むが、ここでは呼びかけではなく、明朝の様子を推し量る主語として置かれている。
四句「明けむ朝は」「む」は婉曲の助動詞で、明けるであろう朝にはの意。初句の「明かし」と「明け」が呼応している。
結句「鳴き渡らむぞ」「む」は推量、「ぞ」は強く念を押す終助詞である。立夏を迎える明朝への期待で結ぶ。次歌の第四千六十九首の「明日よりは」とも響き合い、明日を待つ心が二首に通じている。
をりあかす:起きたまま夜を明かす
あした:朝
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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二上の山に隠れる霍公鳥 今も鳴かぬか君に聞かせむ
- 次の歌
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明日よりは継ぎて聞こえむ霍公鳥 一夜のからに恋ひわたるかも