明日よりは継ぎて聞こえむ霍公鳥
一夜のからに恋ひわたるかも
- 歌の意味
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明日からは続けて聞こえるであろうほととぎすなのに、ただこの一夜のために、恋しく思い続けることだ。
- 鑑賞
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巻第十八 4069
詞書は前の歌に続き「四月一日、掾久米朝臣広縄の館にて宴する歌四首」
明日からは続けて鳴き声が聞こえるはずのほととぎすなのに、たった一夜待つだけのことで恋しく思い続けていると詠む。前歌で家持が明朝の初音を期待したのを受け、待ち遠しさを素直に詠んで宴の四首を結んでいる。
作者の能登乙美は羽咋郡の擬主帳であった。擬主帳は郡の書記である主帳の見習いにあたる官で、当時能登は越中国に併合されていた。地元の役人も宴に加わって歌を詠んでいたことがわかる。
初句「明日よりは」前歌の「明けむ朝は」を受け、明日からはと翌日以降を見通している。
二句「継ぎて聞こえむ」「継ぎて」は続けて、「む」は推量の助動詞で、続けて聞こえるだろうの意。
三句「霍公鳥」宴の四首はいずれも三句に「霍公鳥」を置いており、この歌がその四首目となる。
四句「一夜のからに」「から」は原因、理由を表し、たった一夜のためにの意となる。明日以降の長い日々とたった一夜とが対比されている。
結句「恋ひわたるかも」「わたる」は時間的に続ける意、「かも」は詠嘆の終助詞である。わずか一夜を待つことさえつらいという気持ちで結ぶ。
から:原因、理由
こひわたる:恋しく思い続ける
- 作者
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能登乙美
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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居り明かしも今夜は飲まむ霍公鳥 明けむ朝は鳴き渡らむぞ
- 次の歌
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一本のなでしこ植ゑしその心 誰れに見せむと思ひ始めけむ