しなざかる越の君らとかくしこそ
柳かづらき楽しく遊ばめ
- 歌の意味
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都から遠く離れた越の国の皆さんと、こうしてこそ柳を髪飾りにして楽しく遊ぼう。
- 鑑賞
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巻第十八 4071
詞書なし。左注に「右、郡司已下子弟已上の諸人多くこの会に集ふ。因りて守大伴宿禰家持この歌を作る」とある
越の国の人々とこうしてこそ柳を髪飾りにして楽しく遊ぼうと、宴に集まった人々に呼びかける歌である。郡司をはじめ地元の子弟まで多くの人が集まった宴で、国守として越の人々と親しく交わる喜びを詠んでいる。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされ、本巻は家持の越中時代の歌日誌の性格をもつ。
前歌の清見を送る宴に続く歌で、同じ宴での作とみられる。
初句「しなざかる」越にかかる枕詞である。山坂を隔てて遠く離れているの意とされる。
二句「越の君らと」越の国の人々と、の意。「君ら」と親しみをこめて呼んでいる。
三句「かくしこそ」「し」は強意の副助詞、「こそ」は係助詞で、結句の「め」と係り結びをなす。
四句「柳かづらき」「かづらく」は髪飾りにする意。春の柳の枝を輪にして髪に飾ることをいう。
結句「楽しく遊ばめ」「め」は意志の助動詞「む」の已然形で、「こそ」の結びである。遊行女婦土師の第四千四十七首の「楽しく遊べ」と同じく、宴の楽しさを詠んでいる。
こし:越。北陸地方の古い呼び名
かづらく:草木の枝や花を輪にして髪に飾る
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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一本のなでしこ植ゑしその心 誰れに見せむと思ひ始めけむ
- 次の歌
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ぬばたまの夜渡る月を幾夜経と 数みつつ妹は我れ待つらむぞ