相思はずあるらむ君をあやしくも
嘆きわたるか人の問ふまで
- 歌の意味
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私のことを思ってはくれていないであろうあなたを、不思議なほどに嘆き続けることだ。人が何事かと尋ねるほどに。
- 鑑賞
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巻第十八 4075
詞書は前の歌に続き「越前国の掾大伴宿禰池主の来贈せる歌三首」「所心の歌」
私を思ってはいないだろうあなたのことを、人が尋ねるほど嘆き続けていると詠む。恋歌の型を借りて、家持への慕わしさを大げさに表したもので、親しい間柄ならではの戯れの調子も感じられる。
作者の大伴池主は大伴氏の一族で、家持が越中守であったころ越中の掾として仕え、家持と多くの歌や書簡を交わした。このときは越前国の掾に転じていた。
家持はこの歌に本巻の第四千七十八首で答え、言い表しようのない恋の苦しみは自分の方だと返している。
初句「相思はず」互いに思い合わないの意で、相手が自分を思っていないことをいう。
二句「あるらむ君を」「らむ」は現在推量の助動詞で、そうであるだろうあなたを、の意。相手の心を推し量っている。
三句「あやしくも」不思議なほどに、の意。自分でも理解できないほどの思いの強さを表す。
四句「嘆きわたるか」「わたる」は時間的に続ける意、「か」は詠嘆である。ここで四句切れとなる。
結句「人の問ふまで」人が何事かと尋ねるほどに、の意。倒置の形で、嘆きが外にあらわれるほど深いことを示す。
なげきわたる:嘆き続ける
- 作者
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大伴池主
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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桜花今ぞ盛りと人は言へど 我れは寂しも君としあらねば
- 次の歌
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あしひきの山はなくもが月見れば 同じき里を心隔てつ