恋ふといふはえも名付けたり言ふすべの
たづきもなきは我が身なりけり
- 歌の意味
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「恋う」とは、よくも名付けたものだ。言い表すすべも手立てもないのは、この我が身であった。
- 鑑賞
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巻第十八 4078
詞書は前の歌に続き「越中国守大伴家持の報へ贈る歌四首」「所心に答へ、即ち古人の跡を以て今日の意に代ふ」
「恋う」とはよくも名付けたものだ、言いようもなくどうしようもないのは私の方だと詠む。池主の第四千七十五首に答えた歌で、あなたが私を思っていないと嘆く池主に対し、言葉にならないほど恋しいのはむしろ私だと返している。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされ、本巻は家持の越中時代の歌日誌の性格をもつ。
題詞に「古人の跡を以て今日の意に代ふ」とあり、古人の歌の跡を借りて今の気持ちを表した歌である。
初句「恋ふといふは」「恋ふ」という言葉そのものを取り上げて歌い起こす。
二句「えも名付けたり」「え」は副詞で、よくもの意。うまく名付けたものだと感嘆し、ここで二句切れとなる。
三句「言ふすべの」言い表す方法の、の意。言葉の限界を示している。
四句「たづきもなきは」「たづき」は手がかり、手立ての意。言葉でも行動でもどうにもできない状態をいう。
結句「我が身なりけり」「けり」は気づきの詠嘆を表す。池主の「嘆きわたるか」に対し、嘆いているのは自分の方だと気づいたという形で答えている。
たづき:手がかり。手立て
すべ:方法。手段
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
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我が背子が古き垣内の桜花 いまだ含めり一目見に来ね
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三島野に霞たなびきしかすがに 昨日も今日も雪は降りつつ