片思ひを馬にふつまに負ほせ持て
越辺に遣らば人かたはむかも
- 歌の意味
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私の片思いを馬にどっさりと背負わせて越の方へ送ったならば、誰かが手を貸してくれるだろうか。
- 鑑賞
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巻第十八 4081
詞書は前の歌に続き「姑大伴氏坂上郎女の越中守大伴宿禰家持に来贈せる歌二首」
私の片思いを馬にどっさり背負わせて越の国へ送ったら、誰かが手を貸してくれるだろうかと詠む。目に見えない思いを荷物に見立てて馬に積むという奇抜な発想で、恋しさの大きさをユーモラスに表している。
作者の大伴坂上郎女は大伴安麻呂の娘で、旅人の異母妹にあたる。家持の叔母であり、娘の坂上大嬢が家持の妻となったので姑でもある。万葉集の女性歌人として多くの歌を残している。
結句の「かたはむ」は難解な語で、手を貸す、加勢するの意とする説のほか、諸説がある。家持の第四千八十三首は、この馬に積んだ恋を受けて答えている。
初句「片思ひを」相手からの思いを伴わない一方的な思いをいう。六音の字余りである。
二句「馬にふつまに」「ふつまに」はどっさりと、すっかりの意とされる。思いを荷物に見立てている。
三句「負ほせ持て」「負ほす」は背負わせる意。馬に荷を負わせて運ばせるさまである。
四句「越辺に遣らば」越の方へ送ったならばの意で、未然形+ばの仮定条件である。
結句「人かたはむかも」「かたふ」は手を貸す、加勢する意とされ、「かも」は疑問を含む詠嘆である。重い荷を誰かが手伝ってくれるだろうかという、ユーモアのこもった結びである。
おほす:負ほす。背負わせる
かたふ:手を貸す、加勢するの意とされるが、諸説ある
こしへ:越の国の方
- 作者
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大伴坂上郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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常人の恋ふといふよりはあまりにて 我れは死ぬべくなりにたらずや
- 次の歌
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天離る鄙の奴に天人し かく恋すらば生ける験あり