暁に名告り鳴くなる霍公鳥
いやめづらしく思ほゆるかも
- 歌の意味
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夜明け前に、自分の名を名乗るように鳴くほととぎす、その声のように、あなたがいよいよ慕わしく思われることだ。
- 鑑賞
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巻第十八 4084
詞書は前の歌に続き「越中守大伴宿禰家持の報ふる歌并せて所心三首」「別に所心一首」
夜明け前に名を名乗るように鳴くほととぎすのように、あなたがいよいよ慕わしく思われると詠む。郎女への返歌の後に、別に自分の思いを添えた歌で、初夏の越中で聞いたほととぎすの声に寄せて、都の郎女への思いを伝えている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされ、本巻は家持の越中時代の歌日誌の性格をもつ。
左注に「右、四日、使に附して京師に贈り上ぐ」とある。
初句「暁に」夜明け前のまだ暗いころをいう。ほととぎすが鳴く時刻として詠まれる。
二句「名告り鳴くなる」ほととぎすの鳴き声が自分の名を名乗るように聞こえることをいう。「なる」は音による推定の助動詞「なり」の連体形である。
三句「霍公鳥」初句からここまでが序詞で、ほととぎすの声の新鮮さから「めづらしく」を導く。
四句「いやめづらしく」「めづらし」は心ひかれる、慕わしいの意。「いや」はいよいよの意で、思いの高まりを表す。
結句「思ほゆるかも」「思ほゆ」は自然に思われるの意、「かも」は詠嘆の終助詞である。郎女の恋しさに、自分も同じく慕わしく思っていると応じて結ぶ。
あかとき:暁。夜明け前のまだ暗いころ
なのる:名を名乗る
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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常の恋いまだやまぬに都より 馬に恋来ば担ひあへむかも
- 次の歌
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焼太刀を砺波の関に明日よりは 守部遣り添へ君を留めむ