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大伴の遠つ神祖の奥城は
しるく標立て人の知るべく

歌の意味
大伴氏の遠い祖先の墓所には、はっきりと目印を立てよ。人々が知ることができるように。
鑑賞
巻第十八 4096

詞書は前の歌に続き「陸奥国より金を出せる詔書を賀く歌一首[并せて短歌]」「反歌三首」
 大伴氏の遠い祖先の墓所には、人々が知るようにはっきりと目印を立てよと詠む。詔書で祖先以来の忠誠をたたえられたことを受け、祖先の功績を広く世に示したいという、氏族の誇りに満ちた歌である。
 作者の大伴家持は大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされ、本巻は家持の越中時代の歌日誌の性格をもつ。

 初句「大伴の」氏の名を冒頭に掲げ、氏族の誇りを前面に出している。
 二句「遠つ神祖の」遠い祖先の神の意。長歌の「大伴の遠つ神祖のその名をば大久米主と負ひ持ちて」を受けている。
 三句「奥城は」「奥城」は墓所の意である。
 四句「しるく標立て」「しるく」ははっきりと、「標」は目印の意で、目立つように標を立てよと命じている。
 結句「人の知るべく」「べく」は可能の助動詞で、人が知ることができるようにの意。倒置の形で、目的を最後に示している。

おくつき:奥城。墓所
しめ:標。所有や区域を示す目印
かむおや:神祖。神である祖先
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
大夫の心思ほゆ大君の 御言の幸を聞けば貴み
次の歌
天皇の御代栄えむと東なる 陸奥山に黄金花咲く