- 歌の意味
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沖の島に渡っていって、海人が潜って取るという鮑の真珠があればよいのに。包んで贈ろう。
- 鑑賞
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巻第十八 4103
詞書は前の歌に続き「京の家に贈る為に、真珠を願ふ歌一首[并せて短歌]」
沖の島に渡って海人が潜って取るという鮑の真珠があればよい、包んで贈ろうと詠む。前歌の真珠を贈る願いをさらに具体的にし、能登の海で採れる真珠への憧れを込めている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされ、本巻は家持の越中時代の歌日誌の性格をもつ。
長歌に詠まれた「珠洲の海人」は能登半島の先端の珠洲の海人で、沖の島は能登沖の島を指し、舳倉島にあてる説がある。
初句「沖つ島」沖にある島の意。長歌の「沖つ御神」と同じく、海人が潜る沖の島を指す。
二句「い行き渡りて」「い」は語調を整える接頭語で、渡っていっての意となる。
三句「潜くちふ」「潜く」は水に潜る、「ちふ」は「といふ」がつまった形で、潜って取るというの意。伝え聞いたことを示す。
四句「鰒玉もが」「鰒玉」は鮑の中にできる真珠、「もが」は願望の終助詞である。ここで四句切れとなる。
結句「包みて遣らむ」「む」は意志の助動詞で、包んで贈ろうの意。長歌の結句と同じ句で、前歌の「包みて遣らば」とも呼応している。
かづく:水に潜る
あはびたま:鮑の中にできる真珠
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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白玉を包みて遣らばあやめぐさ 花橘にあへも貫くがね
- 次の歌
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我妹子が心なぐさに遣らむため 沖つ島なる白玉もがも