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白玉の五百つ集ひを手にむすび
おこせむ海人はむがしくもあるか

歌の意味
真珠のたくさん集まったのを両手にすくって贈ってよこしてくれる海人がいたら、なんとありがたいことだろうか。
鑑賞
巻第十八 4105

詞書は前の歌に続き「京の家に贈る為に、真珠を願ふ歌一首[并せて短歌]」
 たくさんの真珠を両手にすくって贈ってくれる海人がいたら、なんとありがたいことかと詠む。真珠を願う一連の結びとして、願いがかなう喜びを想像し、真珠を求める思いの強さを表している。
 作者の大伴家持は大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされ、本巻は家持の越中時代の歌日誌の性格をもつ。
 左注に「右、五月十四日に、大伴宿禰家持興に依りて作る」とある。原文には結句について「一に云ふ」として別の句が注記されているが、読み方が定まらない難訓であり、歌の本文でもないため除いた。

 初句「白玉の」前歌の結句「白玉もがも」を受け、真珠を詠み起こす。
 二句「五百つ集ひを」「五百つ」は数の多いこと、「集ひ」は集まったものの意で、たくさん集めた真珠をいう。長歌の「鰒玉五百箇もがも」と呼応している。
 三句「手にむすび」「むすぶ」は両手を合わせてすくう意である。
 四句「おこせむ海人は」「おこす」はこちらへ送ってよこす意、「む」は婉曲の助動詞である。
 結句「むがしくもあるか」「むがし」はうれしい、ありがたいの意、「か」は詠嘆である。真珠を願う一連を喜びの想像で結んでいる。

むすぶ:両手を合わせてすくう
おこす:こちらへ送ってよこす
いほつ:五百箇。数の多いこと
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
我妹子が心なぐさに遣らむため 沖つ島なる白玉もがも
次の歌
あをによし奈良にある妹が高々に 待つらむ心しかにはあらじか