あをによし奈良にある妹が高々に
待つらむ心しかにはあらじか
- 歌の意味
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奈良にいる妻が、首を長くして待っているであろうその心は、そのようなものではないだろうか。
- 鑑賞
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巻第十八 4107
詞書は前の歌に続き「史生尾張少咋に教へ喩す歌一首[并せて短歌]」「反歌三首」
奈良にいる妻が首を長くして待っているであろう心は、まさにそのようなものではないかと詠む。遊行女婦の左夫流子に心を奪われ、都の妻を顧みない部下の史生尾張少咋を諭す長歌の反歌で、待つ妻の心を思いやるよう促している。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされ、本巻は家持の越中時代の歌日誌の性格をもつ。
長歌の題詞には、妻を離縁できる七つの条件と離縁できない三つの条件を定めた律令の条文、重婚を罰する規定、義夫節婦をたたえる詔書が引かれ、法と道理に基づいて少咋を戒めている。左注によれば五月十五日の作である。
初句「あをによし」奈良にかかる枕詞である。
二句「奈良にある妹が」都の奈良にいる少咋の妻を指す。越中と奈良との距離が示されている。
三句「高々に」首を長くして、待ち遠しく思うさまをいう。
四句「待つらむ心」「らむ」は現在推量の助動詞で、今ごろ待っているであろう心の意。
結句「しかにはあらじか」「しか」はそのように、「じか」は打消し推量の疑問で、そうではないだろうか、まさにそうであろうの意。長歌で述べた待つ妻の心を受けて念を押している。
いも:妹。妻や恋人を親しんで呼ぶ語
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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白玉の五百つ集ひを手にむすび おこせむ海人はむがしくもあるか
- 次の歌
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里人の見る目恥づかし左夫流子に さどはす君が宮出後姿