見まく欲り思ひしなへにかづらかけ
かぐはし君を相見つるかも
- 歌の意味
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お会いしたいと思っていたちょうどその時に、髪飾りをつけた麗しいあなたにお会いできたことだ。
- 鑑賞
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巻第十八 4120
詞書「京に向かはむ時に、貴人を見、及び美人に相ひて飲宴せむ日の為に、懐を述べて儲けて作る歌二首」
会いたいと思っていたちょうどその時に、髪飾りをつけた麗しいあなたに会うことができたと詠む。都へ上る日に備えて、都の貴人や美人と会う宴の席を想像してあらかじめ作っておいた歌で、都への思いと再会の期待がこめられている。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされ、本巻は家持の越中時代の歌日誌の性格をもつ。
左注によれば閏五月二十八日の作である。まだ起こっていない宴を想定して歌を準備しておくのは、本巻の第四千九十八首の吉野行幸の歌と同じく、儲作と呼ばれる作り方である。
初句「見まく欲り」「見まく」は見ること、「欲り」は望むの意で、会いたいと思うことをいう。
二句「思ひしなへに」「なへに」は〜するのにちょうど合わせて、の意。思っていたちょうどその時に、を表す。
三句「かづらかけ」髪飾りをかけた、の意で、宴の席の装いを示す。
四句「かぐはし君を」「かぐはし」は香り高い、麗しいの意で、都の美しい人をたたえる。
結句「相見つるかも」「つる」は完了、「かも」は詠嘆である。想定した宴での出会いを、すでに会えたかのように詠んでいる。
みまくほる:見たいと願う。会いたいと思う
かづら:草木の枝や花を輪にして髪に飾ったもの
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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いにしへよ偲ひにければ霍公鳥 鳴く声聞きて恋しきものを
- 次の歌
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朝参の君が姿を見ず久に 鄙にし住めば我れ恋ひにけり