天の川橋渡せらばその上ゆも
い渡らさむを秋にあらずとも
- 歌の意味
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天の川に橋が渡してあったならば、その上を通ってでもお渡りになるだろうに。たとえ秋でなくても。
- 鑑賞
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巻第十八 4126
詞書は前の歌に続き「七夕の歌一首[并せて短歌]」「反歌二首」
天の川に橋が架かっていれば、秋でなくてもその上を渡って会いに行かれるだろうにと詠む。年に一度、秋の七夕にしか会えない牽牛と織女の境遇を思いやり、いつでも会えればよいのにという同情を寄せた歌である。
作者の大伴家持は大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされ、本巻は家持の越中時代の歌日誌の性格をもつ。
左注によれば、七月七日に天の川を仰ぎ見て作った長歌と反歌である。長歌の「橋だにも渡してあらばその上ゆもい行き渡らし」を短くまとめた反歌となっている。
初句「天の川」牽牛と織女を隔てる天の川を詠み起こす。
二句「橋渡せらば」「せら」は完了の助動詞「り」の未然形を含み、橋が渡してあったならばの仮定条件である。
三句「その上ゆも」「ゆ」は経由を表し、その橋の上を通ってでもの意となる。
四句「い渡らさむを」「い」は接頭語、「す」は尊敬の助動詞、「む」は推量、「を」は逆接で、お渡りになるだろうにの意。ここで四句切れとなる。
結句「秋にあらずとも」倒置の形で、秋でなくてもと添える。年に一度の秋の逢瀬という七夕の約束事に対し、季節にとらわれない逢瀬を願っている。
あまのがは:天の川
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が欲りし雨は降り来ぬかくしあらば 言挙げせずとも年は栄えむ
- 次の歌
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安の川こ向ひ立ちて年の恋 日長き子らが妻どひの夜ぞ