針袋帯び続けながら里ごとに
照らさひ歩けど人もとがめず
- 歌の意味
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針袋をずっと腰に下げたまま、里ごとに見せびらかして歩くけれども、誰も目をとめてくれない。
- 鑑賞
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巻第十八 4130
詞書は前の歌に続き「越前国の掾大伴宿禰池主の来贈せる戯れの歌四首」
贈られた針袋をずっと腰に下げて、里ごとに見せびらかして歩いているのに、誰も気にとめてくれないと詠む。せっかくの贈り物を自慢したいのに誰も関心を示さないというおかしみを詠んだ戯れの歌で、贈り物を大切にしている気持ちが裏に込められている。
作者の大伴池主は大伴氏の一族で、家持が越中守であったころ越中の掾として仕え、家持と多くの歌や書簡を交わした。このときは越前国の掾に転じていた。
初句「針袋」前歌と同じ初句で始め、贈られた針袋を詠み続けている。
二句「帯び続けながら」腰に下げ続けたままの意である。
三句「里ごとに」行く先々の里ごとに、の意で、見せて回る範囲の広さを示す。
四句「照らさひ歩けど」「照らさふ」は見せびらかす、ひけらかす意とされる。「ど」は逆接である。
結句「人もとがめず」「とがむ」は目をとめる、気にかける意で、誰も気づいてくれないと結ぶ。自慢したい思いと周囲の無関心との落差がおかしみを生んでいる。
てらさふ:見せびらかす。ひけらかす
とがむ:目をとめる。気にかける
- 作者
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大伴池主
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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針袋取り上げ前に置き返さへば おのともおのや裏も継ぎたり
- 次の歌
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鶏が鳴く東をさしてふさへしに 行かむと思へどよしもさねなし