鶏が鳴く東をさしてふさへしに
行かむと思へどよしもさねなし
- 歌の意味
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東国をめざして、この針袋にふさわしく旅に出ようと思うけれども、その手立てがまったくない。
- 鑑賞
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巻第十八 4131
詞書は前の歌に続き「越前国の掾大伴宿禰池主の来贈せる戯れの歌四首」
東国をめざして旅に出ようと思うが、その手立てがまったくないと詠む。旅の翁にふさわしい針袋をもらったので遠い東国へでも旅立とうかと戯れながら、実際には任地を離れられない身を嘆いてみせ、四首の戯れの歌を結んでいる。
作者の大伴池主は大伴氏の一族で、家持が越中守であったころ越中の掾として仕え、家持と多くの歌や書簡を交わした。このときは越前国の掾に転じていた。
左注に「右の歌の返報の歌は、脱漏して探り求むること得ず」とある。三句の「ふさへしに」は難解な語で、ふさわしくの意とする説などがある。
初句「鶏が鳴く」東にかかる枕詞である。
二句「東をさして」東国をめざして、の意。本巻の第四千百二十八首の「旅の翁」を受けて、遠い東国への旅を想像している。
三句「ふさへしに」難解な語で、針袋を持つ身にふさわしく、の意とする説などがある。
四句「行かむと思へど」「む」は意志の助動詞、「ど」は逆接で、行こうと思うけれどもの意である。
結句「よしもさねなし」「よし」は手立て、方法、「さね」はまったくの意で、行く手立てがまったくないと結ぶ。旅の翁を気取りながら旅立てない身を嘆き、戯れの歌群を締めくくっている。
あづま:東。都から見て東の国々
よし:手立て。方法
- 作者
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大伴池主
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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針袋帯び続けながら里ごとに 照らさひ歩けど人もとがめず
- 次の歌
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縦さにもかにも横さも奴とぞ 我れはありける主の殿戸に