矢形尾の真白の鷹を宿に据ゑ
掻き撫で見つつ飼はくしよしも
- 歌の意味
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矢羽のような模様の尾をした真っ白な鷹を家に据えて、撫でては眺めながら飼うのは、なんと楽しいことか。
- 鑑賞
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巻第十九 4155
詞書は前の歌に続き「八日、白き大鷹を詠む歌一首并せて短歌」
三月八日に詠まれた白い大鷹の長歌に添えられた反歌で、長歌の結びの「真白斑の鷹」を受けて、鷹を家に据えて撫でながら飼う喜びを簡潔にまとめている。鷹狩りを好んだ家持の、愛鷹への深い愛着が伝わる。
長歌では、都を離れた越の地で語り合う人も少なく、心を慰めるために秋の石瀬野で鷹狩りをし、鷹を飼っていると詠んでおり、この反歌はその慰めの喜びを凝縮したものといえる。
作者の大伴家持は、大納言大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として越中国府(現在の富山県高岡市伏木)に赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされる奈良時代を代表する歌人である。
初句「矢形尾の」は、矢羽のような模様のある尾をいい、鷹の尾羽の美しさをとらえている。
二句「真白の鷹を」は、長歌の結句「真白斑の鷹」を受け、白い鷹の珍しさと気高さを示している。
三句「宿に据ゑ」の「据う」は、鷹を止まり木などに止まらせる意で、家に置いて大切に飼うさまをいう。
四句「掻き撫で見つつ」は、手で撫でながら眺めるという動作を重ね、鷹への愛着を具体的に描いている。
結句「飼はくしよしも」の「飼はく」は飼うことの意、「し」は強意、「も」は詠嘆で、飼うことの楽しさを率直に述べて結んでいる。
やかたを:矢羽のような模様のある尾
すう:鷹などを止まり木に止まらせる、据える
かきなづ:手で撫でる
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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漢人も筏浮かべて遊ぶといふ 今日ぞ我が背子花かづらせな
- 次の歌
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紅の衣にほはし辟田川 絶ゆることなく我れかへり見む