大夫は名をし立つべし後の世に
聞き継ぐ人も語り継ぐがね
- 歌の意味
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ますらおは名を立てるべきである。後の世にそれを聞き継ぐ人も、また語り継いでいくように。
- 鑑賞
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巻第十九 4165
詞書は前の歌に続き「勇士の名を振るはむことを慕ふ歌一首并せて短歌」
勇士として名を挙げることを慕う長歌の反歌で、ますらおたる者は名を立てるべきであり、後の世の人々が聞き継ぎ、語り継いでいくようにと詠んでいる。武門の名族大伴氏の一員としての自負と、家名を後世に伝えようとする強い意志が表れている。
左注に「右の二首は、山上憶良臣の作る歌に追ひて和ふ」とあり、憶良が臨終の床で詠んだとされる「士やも空しくあるべき万代に語り継ぐべき名は立てずして」(巻第六の第九百七十八首)に追和した作である。憶良の嘆きを、名を立てようとする決意へと転じている。
作者の大伴家持は、大納言大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として越中国府(現在の富山県高岡市伏木)に赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされる奈良時代を代表する歌人である。
初句「大夫は」は、立派な男子たる者はと主題を提示し、長歌の「大夫や空しくあるべき」を受けている。
二句「名をし立つべし」の「し」は強意で、「べし」は当然や義務を表し、名を立てることを強く言い切って二句切れとなっている。
三句「後の世に」は、名が伝わるべき遠い未来を示している。
四句「聞き継ぐ人も」は、後の世で名を聞き伝える人々を指している。
結句「語り継ぐがね」の「がね」は「〜するように」と目的や願望を表す語で、名声が代々語り継がれることを願って結んでいる。
ますらを:立派な男子、勇士
ききつぐ:聞いて後に伝える
かたりつぐ:語り伝える
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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妹が袖我れ枕かむ川の瀬に 霧立ちわたれさ夜更けぬとに
- 次の歌
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時ごとにいやめづらしく咲く花を 折りも折らずも見らくしよしも