時ごとにいやめづらしく咲く花を
折りも折らずも見らくしよしも
- 歌の意味
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季節ごとにますます心ひかれるように咲く花を、手折っても手折らなくても、見るのは楽しいものだ。
- 鑑賞
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巻第十九 4167
詞書は前の歌に続き「霍公鳥并せて時の花を詠む歌一首并せて短歌」反歌二首
ほととぎすと季節の花を詠んだ長歌の反歌一首目で、季節ごとに新鮮な美しさで咲く花を、折っても折らなくても見るのは楽しいと詠んでいる。長歌冒頭の「時ごとに いやめづらしく」をそのまま初二句に用い、長歌の花の部分を受けている。
左注に「右、二十日、いまだ時に及ばずといへども、興に依りて預め作る」とあり、三月二十日に、まだ季節には早いが興にまかせて前もって作ったものであることがわかる。
作者の大伴家持は、大納言大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として越中国府(現在の富山県高岡市伏木)に赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされる奈良時代を代表する歌人である。
初句「時ごとに」は、季節が巡るたびにの意で、長歌の初句をそのまま受けている。
二句「いやめづらしく」の「いや」はますます、「めづらし」は心ひかれる、新鮮であるの意で、季節ごとの花の新しい美しさを讃えている。
三句「咲く花を」は、目の前に咲く季節の花を示している。
四句「折りも折らずも」は、手折っても手折らなくてもと対句的に並べ、どちらにしても楽しいという気持ちを導いている。
結句「見らくしよしも」の「見らく」は見ることの意、「し」は強意、「も」は詠嘆で、花を見る喜びを表して結んでいる。
をる:花の枝を手で折り取る
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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大夫は名をし立つべし後の世に 聞き継ぐ人も語り継ぐがね
- 次の歌
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毎年に来鳴くものゆゑ霍公鳥 聞けば偲はく逢はぬ日を多み