さ夜更けて暁月に影見えて
鳴く霍公鳥聞けばなつかし
- 歌の意味
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夜が更けて、明け方の月の光の中に姿を見せて鳴くほととぎすの声は、聞くと心ひかれる。
- 鑑賞
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巻第十九 4181
詞書は前の歌に続き「霍公鳥の情に飽かぬことを感じて懐を述べて作る歌一首并せて短歌」反歌三首
ほととぎすの声にいくら聞いても飽きない思いを述べた長歌の反歌一首目で、夜更けから明け方へ、残る月の光に姿を見せて鳴くほととぎすを聞くと心ひかれると詠んでいる。長歌の「さ夜中に鳴く霍公鳥」「初声を聞けばなつかし」を受けている。
月光に浮かぶ鳥影と、その声という視覚と聴覚が重なり、夏の明け方の情景が清らかに描かれている。
作者の大伴家持は、大納言大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として越中国府(現在の富山県高岡市伏木)に赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされる奈良時代を代表する歌人である。
初句「さ夜更けて」の「さ」は接頭語で、夜が更けていく時の流れを示している。
二句「暁月に」の「暁月」は夜明け前の空に残る月の意で、夜更けから明け方への推移を表している。
三句「影見えて」の「影」は姿、形の意で、月光に照らされた鳥の姿が見えることを示している。
四句「鳴く霍公鳥」は、姿と声をあわせもつほととぎすを示し、結句へとつないでいる。
結句「聞けばなつかし」は、長歌の「聞けばなつかし」と同じ句で、心ひかれる思いを長歌と響き合わせて結んでいる。
あかときづき:夜明け前の空に残る月
かげ:姿、形
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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霍公鳥夜鳴きをしつつ我が背子を 安寐な寝しめゆめ心あれ
- 次の歌
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霍公鳥聞けども飽かず網捕りに 捕りてなつけな離れず鳴くがね