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霍公鳥聞けども飽かず網捕りに
捕りてなつけな離れず鳴くがね

歌の意味
ほととぎすの声はいくら聞いても飽きない。網で捕らえて手なずけよう。離れずにいつも鳴いてくれるように。
鑑賞
巻第十九 4182

詞書は前の歌に続き「霍公鳥の情に飽かぬことを感じて懐を述べて作る歌一首并せて短歌」反歌三首
 反歌の二首目で、ほととぎすの声はいくら聞いても飽きないので、網で捕らえて手なずけ、離れずにいつも鳴いてもらおうと詠んでいる。飽き足りない思いが高じて、鳥を手元に置きたいという願いへと発展している。
 前歌の聞き惚れる心から、捕らえて飼おうという大胆な発想へ転じた点に、ほととぎすへの執着の強さが表れ、次歌の飼い通す願いへと続いていく。
 作者の大伴家持は、大納言大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として越中国府(現在の富山県高岡市伏木)に赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされる奈良時代を代表する歌人である。

 初句「霍公鳥」は、三首の反歌に共通して冒頭や中心に置かれる鳥の名である。
 二句「聞けども飽かず」は、いくら聞いても満足しないの意で、長歌の題意を受け、ここで切れる二句切れとなっている。
 三句「網捕りに」は、網を使って鳥を捕らえることをいい、具体的な手段を示している。
 四句「捕りてなつけな」の「なつく」は手なずける意、「な」は自らの意志を表す終助詞で、捕らえて馴らそうと決意している。
 結句「離れず鳴くがね」の「がね」は「〜するように」と目的を表し、離れずに鳴いてくれるようにと願って結んでいる。

あみとり:網で鳥を捕らえること
なつく:手なずける、なれ親しませる
かる:離れる、遠ざかる
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
さ夜更けて暁月に影見えて 鳴く霍公鳥聞けばなつかし
次の歌
霍公鳥飼ひ通せらば今年経て 来向ふ夏はまづ鳴きなむを