月立ちし日より招きつつうち偲ひ
待てど来鳴かぬ霍公鳥かも
- 歌の意味
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四月になった日から招き寄せようとしながら心に慕い、待っているのに、やって来て鳴かないほととぎすであることよ。
- 鑑賞
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巻第十九 4196
詞書は前の歌に続き「更に霍公鳥の哢くことの晩きを怨むる歌三首」
三首の結びで、四月になった日から招き寄せようとして慕い待っているのに、いっこうに来て鳴かないほととぎすであることよと、待ちわびる恨みを率直に述べている。
暦の上で夏となる四月の始まりから待ち続けた日々を振り返り、一連の怨みの歌をまとめる位置にある。
作者の大伴家持は、大納言大伴旅人の子で、天平十八年(746)から越中守として越中国府(現在の富山県高岡市伏木)に赴任していた。万葉集の編纂に深く関わったとされる奈良時代を代表する歌人である。
初句「月立ちし」の「月立つ」は月が改まる意で、四月という夏の月の始まりを示している。
二句「日より招きつつ」の「招く」は呼び寄せる意で、その日からずっと招き続けてきたことを表している。
三句「うち偲ひ」の「うち」は接頭語で、心に慕い思うさまを示している。
四句「待てど来鳴かぬ」は、待っているのに来て鳴かないの意で、逆接によって期待と現実の落差を示している。
結句「霍公鳥かも」の「かも」は詠嘆で、恨めしさをこめて鳥の名で結び、三首を締めくくっている。
つきたつ:月が改まる、新しい月が始まる
をく:招く、呼び寄せる
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我がここだ偲はく知らに霍公鳥 いづへの山を鳴きか越ゆらむ
- 次の歌
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妹に似る草と見しより我が標し 野辺の山吹誰れか手折りし