いにしへに君が三代経て仕へけり
我が大主は七代申さね
- 歌の意味
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これまであなたは三代の御代にわたってお仕えしてきた。わが主君よ、この先は七代にわたってお仕え申してください。
- 鑑賞
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巻第十九 4256
詞書「左大臣橘卿を寿かむために預め作る歌一首」
左大臣橘諸兄の長寿と繁栄を祝うために、前もって作っておいた歌で、これまで三代の天皇にわたって仕えてきたあなたは、この先七代にわたってお仕えなさってほしいと寿いでいる。
「君が三代経て」の「君」が誰を指すかについては諸説があるが、諸兄自身が三代の天皇の御代に仕えてきたことをいうとする説が有力である。大伴氏は橘諸兄と政治的に近い立場にあり、帰京を前にした家持の諸兄への敬慕が表れている。
作者の大伴家持は、大納言大伴旅人の子で、五年あまり越中守を務めたのち、天平勝宝三年(751)に少納言に任じられ、都へ上る途上にあった。万葉集の編纂に深く関わったとされる歌人である。
初句「いにしへに」は、これまでの昔にの意で、過去の長い奉仕を示している。
二句「君が三代経て」の「三代」は三代の天皇の御代をいい、長く朝廷に仕えてきたことを示している。
三句「仕へけり」の「けり」は過去の事実の確認で、ここで切れる三句切れとなっている。
四句「我が大主は」の「大主」は主君、敬愛する主人の意で、諸兄を指している。この句は字余りである。
結句「七代申さね」の「申す」はお仕え申し上げる意、「ね」は他者への願望で、三代に対して七代を挙げ、さらなる長寿と繁栄を願って結んでいる。
おほぬし:主君、敬愛する主人
まをす:お仕え申し上げる
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋の花種にあれど色ごとに 見し明らむる今日の貴さ
- 次の歌
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手束弓手に取り持ちて朝狩りに 君は立たしぬ棚倉の野に