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大君は神にしませば水鳥の
すだく水沼を都と成しつ

歌の意味
天皇は神でいらっしゃるので、水鳥が群がり集まる沼地を、都に造り成された。
鑑賞
巻第十九 4261

詞書は前の歌に続き「壬申の年の乱の平定まりし以後の歌二首」
 前歌と同じく、壬申の乱後に天武天皇が飛鳥浄御原宮を営んだことを讃えた歌で、天皇は神でいらっしゃるので、水鳥が群がり集まる沼地を都に造り変えてしまわれたと詠んでいる。
 前歌と初二句、結句を共有し、「赤駒の腹這ふ田居」を「水鳥のすだく水沼」に置き換えた対の構成で、二首一組として伝えられた。原文には「作者いまだ詳らかならず」という原注があり、作者は明らかでない。左注に「右の件の二首は、天平勝宝四年二月二日に聞きて、即ちここに載す」とあり、天平勝宝四年(752)二月二日に家持が聞いて書き留めたものである。

 初句「大君は」は、前歌と同じ句で、二首が対をなすことを示している。
 二句「神にしませば」も前歌と同じ句で、天皇を神として讃える定型の表現である。
 三句「水鳥の」は、前歌の「赤駒の」に対応し、沼地の情景を導いている。
 四句「すだく水沼を」の「すだく」は群がり集まる意、「水沼」は水のたまった沼で、前歌の「腹這ふ田居」に対して湿地の荒れたさまを描いている。
 結句「都と成しつ」は前歌と同じ結句で、天皇の偉業を讃えて二首を締めくくっている。

すだく:群がり集まる
みぬま:水のたまった沼
出典
万葉集
前の歌
大君は神にしませば赤駒の 腹這ふ田居を都と成しつ
次の歌
唐国に行き足らはして帰り来む ますら健男に御酒奉る