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天皇の御代万代にかくしこそ
見し明きらめめ立つ年の端に

歌の意味
天皇の御代は万代まで続き、このようにこそ宴を御覧になって御心を晴らされるであろう。年が改まるごとに。
鑑賞
巻第十九 4267

詞書は前の歌に続き「詔に応へむために儲けて作る歌一首并せて短歌」反歌一首
 天皇の詔に応えて歌を奉る場合に備えて前もって作っておいた長歌の反歌で、天皇の御代は万代に続き、年が改まるごとにこのように宴を御覧になって御心を晴らされるであろうと、治世の永続を寿いでいる。
 長歌では、官人たちが橘を髪に挿し、千年の寿ぎを響かせて仕える豊明の宴を描いており、その宴が毎年繰り返されることを願って締めくくっている。左注に「右の二首は、大伴宿祢家持作る」とある。
 作者の大伴家持は、大納言大伴旅人の子で、天平勝宝三年(751)に少納言に任じられて越中から平城京に戻り、都の官人として宮廷の宴にも列していた。万葉集の編纂に深く関わったとされる歌人である。

 初句「天皇の」は、「すめろき」と読み、天皇を示して寿ぎの対象としている。
 二句「御代万代に」は、天皇の御代が万代に続いての意で、治世の永遠を願っている。
 三句「かくしこそ」の「し」は強意、「こそ」は係助詞で、このようにこそと今日の宴を指し、四句の「め」と係り結びをなしている。
 四句「見し明きらめめ」の「見し明きらむ」は御覧になって御心を晴らされる意で、「こそ」の結びとして已然形「め」で終わっている。
 結句「立つ年の端に」は、年が改まるたびにの意で、倒置によって宴の繰り返しを最後に示して結んでいる。

すめろき:天皇
めしあきらむ:御覧になって心を晴らされる
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
四つの船早帰り来としらか付け 我が裳の裾に斎ひて待たむ
次の歌
この里は継ぎて霜や置く夏の野に 我が見し草はもみちたりけり