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天地と相栄えむと大宮を
仕へまつれば貴く嬉しき

歌の意味
天地とともに栄えようと、大宮にお仕え申し上げると、まことに貴く嬉しいことだ。
鑑賞
巻第十九 4273

詞書「二十五日、新嘗会の肆宴にして詔に応ふる歌六首」
 新嘗祭の肆宴で詔に応えた六首の一首目で、天地とともに永遠に栄えようと大宮にお仕えしていると、まことに貴く嬉しいと、宮廷に仕える喜びを述べている。
 天平勝宝四年(752)十一月二十五日、新嘗祭の後に催された肆宴で、天皇の詔に応えて奉った歌六首の一つである。新嘗祭はその年の新穀を神に供え、天皇も食する宮中の重要な祭儀である。左注に「右の一首は、大納言巨勢朝臣」とある。
 作者の巨勢奈弖麻呂は、奈良時代の公卿で、このころ大納言の地位にあった。高齢の重臣として六首の最初に詠んでいる。

 初句「天地と」は、天地とともにの意で、永遠性を示している。
 二句「相栄えむと」は、ともに栄えようとの意で、天皇の治世の永続を願っている。
 三句「大宮を」の「大宮」は皇居、宮殿を示している。
 四句「仕へまつれば」は、お仕え申し上げるとの意で、臣下としての奉仕を示している。
 結句「貴く嬉しき」は字余りで、連体形で結ぶ連体止めとなり、喜びを余情として残している。

にひなへ:新嘗、その年の新穀を神に供え天皇も食する祭儀
おほみや:皇居、宮殿
作者
巨勢奈弖麻呂
出典
万葉集
前の歌
天地に足らはし照りて我が大君 敷きませばかも楽しき小里
次の歌
天にはも五百つ綱延ふ万代に 国知らさむと五百つ綱延ふ