- 歌の意味
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庭の築山に照り輝く橘を髪飾りに挿して、お仕え申し上げているのは、公卿や大夫たちである。
- 鑑賞
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巻第十九 4276
詞書は前の歌に続き「二十五日、新嘗会の肆宴にして詔に応ふる歌六首」
新嘗祭の肆宴での四首目で、庭の築山に照り輝く橘の実を髪飾りに挿して、お仕え申し上げているのは公卿や大夫たちであると、宴に列する臣下たちの晴れやかな姿を描いている。
冬に黄金色に輝く橘は常緑の永遠性を象徴し、それを髪に挿して仕える臣下の姿に治世の繁栄を重ねている。左注に「右の一首は、右大弁藤原八束朝臣」とある。
作者の藤原八束は、藤原房前の子で、のちに真楯と名を改めた。温厚な人柄で知られ、大伴家持とも親交があった。
初句「島山に」の「島山」は庭園の池の中や岸に築いた山で、宮中の庭を示している。
二句「照れる橘」は、照り輝く橘の実を示し、冬の庭に映える色を描いている。
三句「うずに刺し」の「うず」は髪や冠に挿す飾りで、橘を髪飾りにするさまを示している。
四句「仕へまつるは」は、お仕え申し上げているのはの意で、主題を提示している。
結句「卿大夫たち」は字余りの体言止めで、宴に列する高官たちを示して結んでいる。
しまやま:庭園の池の中や岸に築いた山
うず:髪や冠に挿す飾り
まへつきみ:天皇の御前に仕える高官
- 作者
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藤原八束
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天地と久しきまでに万代に 仕へまつらむ黒酒白酒を
- 次の歌
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袖垂れていざ我が園に鴬の 木伝ひ散らす梅の花見に